オンライン翻訳サービスに文書をアップロードしても安全?確認すべきこと

オンライン翻訳サービスに文書をアップロードすることは、日常的に扱うファイルであれば、次の3点を把握している限り、おおむね安全です。サービスがファイルをどのくらいの期間保管するか、テキストを処理するのは誰か(通常はAIモデルの提供元)、そしてそのテキストがAIモデルの学習に使われる可能性があるかどうかです。 機密文書(NDAの対象となる契約書、健康記録、顧客データ、未公開の財務情報)の場合は、この3点の答えによって、そもそもそのツールを使ってよいかどうかが決まります。「無料プランでは使えない」という結論になることもあります。

このガイドでは、アップロードした文書がどうなるのかを説明し、どの翻訳ツールにも使えるチェックリストを紹介します。あわせて、現時点でDropTranslateがファイルをどう扱っているかも率直にお伝えします。

ドキュメントをアップロードすると何が起こるのか

ほとんどのオンライン文書翻訳サービスでは、流れは次のようになります。

  1. アップロード。 ファイルがサービスのサーバーに送られます。通常は暗号化された接続が使われます(https:// を目印にしてください)。
  2. 処理。 ファイルからテキストが抽出され、いくつかに分けて翻訳エンジンに送られます。現在は大規模なAI言語モデルが使われることが多く、そのモデルは、利用中のWebサイトとは別の会社が運営している場合もよくあります。
  3. 再構築。 翻訳されたテキストが、ファイルのコピーに書き戻されます。
  4. 保管。 結果をダウンロードできるように、元のファイルと翻訳後のファイルがしばらく保管されます。場合によっては、ずっと長く保管されます。

各ステップで、テキストはお使いのパソコンの外に存在することになります。リスクの中心は、通常、劇的なハッキングではありません。問題になりやすいのは保管と再利用です。想定より長くコピーが残ったり、テキストが誰かのAIモデルの改善に使われたりすることです。

チェックリスト:翻訳ツールに確認したい質問

答えは、ツールのプライバシーポリシーやアップロード画面で探してください。見つからない場合、それもひとつの答えです。

1. 元のファイルはどのくらい保管されますか?

最も望ましい答えは「翻訳が終わりしだい削除する」です。「必要な間は保管する」のようなあいまいな表現には注意してください。

2. 翻訳後のファイルはどのくらい保管され、自分で削除できますか?

ダウンロードのために、結果はしばらく必要です。保管期間が明確に決まっていることと、履歴の一覧から消すだけでなくファイルをすぐに削除できる削除ボタンがあることを確認してください。

3. テキストを処理するのは誰ですか?

多くのツールは、テキストをAIモデルの提供元に送ります。プライバシーポリシーには、提供元の名前が記載されているべきです。少なくとも、第三者がテキストを処理していることと、その条件が示されている必要があります。

4. 自分のテキストがAIモデルの学習に使われることはありますか?

機密性の高い資料では、これが最も重要な質問です。プロバイダーによっては、データで学習しないこと、データを保持しないこと(ゼロデータ保持、zero data retention)を約束しています。一方、特に無料や低価格のプランでは、送信されたテキストをモデルの改善に使う場合があります。良いツールは、どちらに当たるのかを、アップロードの前にわかりやすい言葉で示しています。

5. 文書のテキストはログに記録されますか?

サービスは、エラーの修正や利用状況の把握のためにログを残します。理想的には、ログに含まれるのは技術的な情報(ファイルサイズ、言語ペア、処理時間)だけで、文書のテキストは含まれません。

6. データはどこで処理されますか?

GDPRの対象となる業務や、データの所在地に関する規定がある顧客との契約のもとで働いている場合は、サービスとそのプロバイダーがどの国で運営されているかを確認してください。

7. アカウントは必要ですか? サービスは自分についてどんな情報を保持しますか?

匿名で使える場合は、保存される個人データが少なくなることがありますが、後からファイルを削除する手段がないこともあります。履歴が見られるアカウントなら、何が保存されているかを確認して削除しやすくなります。

オフラインで扱うべき文書

確認した答えに問題がなくても、許可なしにオンラインツールへアップロードすべきではない文書があります。

  • NDAや顧客との秘密保持契約の対象となるもの
  • 健康記録など、他人に関する機微な個人データ
  • 法的案件の資料(所属先がそのツールを承認している場合を除く)
  • 企業秘密、未公開の決算情報、合併関連の文書
  • パスワードや鍵などの認証情報(翻訳の前に削除してください)

こうした文書については、承認されているツールを会社や顧客に確認する、データの取り扱いを定めた契約があるオフライン版またはエンタープライズ向けの翻訳ツールを使う、あるいは翻訳の前に機微な部分を削除する、といった方法があります。翻訳が不要な名前や数字を墨消しするだけで、文書の内容をざっと把握するには十分なことも多くあります。

DropTranslateはファイルをどう扱うか

アップロードしてから気づくより、先に知っていただくほうがよいので、お伝えします。

  • アップロードしたファイルは、翻訳処理が終わりしだい削除されます。 保管されるのは翻訳後のファイルだけです。
  • 翻訳後のファイルは、サインインしている場合は7日間(履歴から再ダウンロードできます)、していない場合は24時間保管されます。 その後は自動的に削除されます。履歴に残るのは、ファイル名、言語ペア、ページ数、日付だけです。
  • 今すぐ削除を使うと、ファイルはすぐに削除されます。
  • ファイルは、当社のサーバー上で保管されている間、暗号化されています。
  • 文書のテキストが、当社のログや分析データに含まれることはありません。
  • AIモデルと学習について。 現在、翻訳にはAIモデル(Muse Spark)の「contributor」ティアが使われています。このプランでは、モデルに送信されたテキストがMetaのモデルの学習に使われる可能性があり、ゼロデータ保持ではありません。 そのため、アップロード画面には「無料プランでは機密文書をアップロードしないでください」と表示されています。

詳しくはプライバシーページをご覧ください。より厳格なデータ条件を持つ、機密文書向けのプロバイダーを追加した場合は、同ページとアップロード画面でお知らせします。それまでは、無料プランは機密性の高い資料には向かないものとお考えください。

アップロード時の簡単な安全チェック

  1. 次のように自問します。このテキストがしばらく保存されたり、AIモデルの学習に使われたりしたら問題になるでしょうか。問題になるなら、無料ツールにはアップロードしないでください。
  2. 翻訳が不要なものを削除します。口座番号、ID番号、署名などです。
  3. ツールの保管期間と学習に関するポリシーを確認します。
  4. 結果をすぐにダウンロードし、サービスから削除します。
  5. 翻訳後のファイルは、自分で管理できる場所に保管します。

よくある質問

Google TranslateやDeepLは、機密文書に使っても安全ですか?

具体的な製品やプランによって異なり、規約も変わります。そのプランの最新のプライバシー規約を、上のチェックリストに沿って読み、会社が承認しているかどうかも確認してください。

翻訳ツールから自分の文書の内容は見えますか?

ソフトウェアが文書を処理し、AIプロバイダーがテキストを受け取ります。人が閲覧できるかどうかは、サービスのポリシーとセキュリティ次第です。どのオンラインツールでも、保管されても困らないものだけをアップロードする、と考えておくのが最も安全です。

パスポートや身分証明書を翻訳のためにアップロードしても安全ですか?

身分証明書は、詐欺師に狙われやすい文書です。保管と削除の扱いを確認したサービスにのみアップロードし、終わったら削除してください。文書全体の翻訳が本当に必要かどうかも検討してみてください。

ファイルを削除すれば、AIプロバイダー側からも消えますか?

必ずしもそうとは限りません。翻訳サイトでファイルを削除すると、そのサイトが保存しているコピーは削除されます。AIプロバイダーがテキストを保持するかどうかは、プロバイダー自身の規約によります。質問4が重要なのはそのためです。

まとめ

日常的な文書であれば、ファイルの保管期間と、テキストがAI学習に使われる可能性があるかどうかを確認したうえで、オンライン翻訳を選ぶのは妥当です。機密文書の場合は、この答えによって、通常は無料プランが選択肢から外れます。次に品質が気になる方は、機械翻訳の品質は十分なのかをご覧ください。

アップロードする前に、DropTranslateがファイルをどう扱うかを詳しく確認してください。

アップロードしたファイルがどう扱われるのか、保管期間やAI学習について確認すべき点、オフラインで扱うべき文書を解説します。